シリコーンについて

シリコンとシリコーンの違い

04Difference between silicone and silicones

シリコンとシリコーンの違い

私たちは、シリコーンのことを「シリコン」と省略して発音することがあります。
シリコーンオイルやシリコーンゴムという場合は、伸ばすと言いづらいため縮めて発音します。
そのため、「シリコン」と「シリコーン」が混同されることがあり、とてもややこしいのですが、ここではその違いについてご説明します。

シリコンは、元素名でケイ素の英語名(Silicon)に由来します。
ケイ素(Si)のことをいい、それと同時に「単体」物質としての名前でもあります。
単体のシリコンは金属光沢があるため、「金属ケイ素」と呼ばれることもあります。

シリコン
Silicon

ケイ素(元素)、金属ケイ素、半導体用途に使用されるものは「半導体シリコン」とも呼ばれています ケイ素(元素)、金属ケイ素、半導体用途に使用されるものは「半導体シリコン」とも呼ばれています ケイ素(元素)、金属ケイ素、半導体用途に使用されるものは「半導体シリコン」とも呼ばれています

金属ケイ素は、原料のケイ石を還元・精製した高純度のケイ素の結晶で、半導体の材料となります。 半導体は、電気を通す「導体」と電気を通さない「絶縁体」に対して、その中間的な性質を備えた物質です。 その性質を利用して、パソコンやテレビ、スマートフォンなど電気製品に幅広く使われています。(ちなみにシリコーンも、半導体部品の放熱剤として活躍しています!)

一方、シリコーンはケイ素を構成元素の一つとして含有する有機ケイ素化合物です。 無機物と有機物の性質を兼ね添え、オイル・ゴム・パウダーなど多様な形態を持ちます。
また、耐熱・耐寒・接着・離型・消泡・撥水など用途に合わせたさまざまな特性を示します。

シリコーン(Silicone)は、19世紀末から20世紀前半にかけてケイ素化学の基礎を作った、イギリスの化学者フレデリック・キッピング(Frederic Stanley Kipping 1863-1949)によって名付けられたとされています。
この時期、ケイ素の「ケトン(ketone) ※」類縁体であると考えられていたため、Silicoketoneを縮めて、シリコーン(Silicone)という名称が与えられました。 ちなみに、現代では、シリコーンはケトン類縁体ではなく、シロキサン結合(Si-O-Si)と呼ばれるケイ素と炭素が単結合で交互に連続した構造であることがわかっています。

※ケトン …カルボニル基(>C=O)と2個の炭化水素基(R-)が結合 した化合物の総称

シリコーン
Silicone

このように、「シリコン(Silicon)」と「シリコーン(Silicone)」同じケイ素から生まれた物質であり、別の物質です。
日本語では、「ー」(長音)、英語では、語尾に「e」がつくかつかないかの違いですが、それが示す物質は異なります。

シリコンです! シリコンです! シリコンです! シリコーンです! シリコーンです! シリコーンです!

Anecdote. Etymology of Element Names

ちょっとコバナシ! ~元素名の語源について~

シリコン(Silicon)とシリコーン(Silicone)のように、名前は、元素名と構成要素で変化します。
元素名の語源は、神話や伝承に由来するもの、土地の名前に由来するもの、その形状や性質に由来するものなど様々です。
ケイ素(Si)は、天然に存在するケイ石に含まれており、古くからナイフや矢じりとして使われていたため、そのかたい性質に関係して名付けられたと考えられています。

Silicon ケイ素Si

ラテン語:silex(⽕打ち⽯、かたい⽯)
silico-(⺟⾳の前でsilic-) 「シリカ(silica)、ケイ素(silicon)、珪肺症の」の連結形

(例)silica(⼆酸化ケイ素、シリカ)
silica gel(シリカゲル)
silicicolous plant(珪酸植物)
silicone(シリコーン、有機ケイ素化合物の重合体)
silicosis(珪肺)
ケイ石 ケイ石 ケイ石

参考文献:千葉大学学術成果リポジトリ「元素名語源集」より

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