
デバイスが高性能になり、消費電力の高まりとともに発熱量が増大する今。
発熱体から熱を効率よく逃がすことが、重要な技術として注目されています。
求められる性能に合わせて優れた熱伝導性を発揮する、放熱用シリコーンの種類や特徴をご紹介いたします。
<サンプル対応可能>
まず、優れた放熱材料とは?
優れた放熱材料とは、耐熱性、耐寒性、耐候性などにおいて十分な信頼性を持ち、使用者の求める必要最低限の特性を満たし熱伝導性が良く、熱抵抗の小さな材料のことです。発熱体から出た熱を上手に逃がすことで、機器の長期信頼性に寄与し、熱暴走や性能ダウンを最小限に抑えてあげることが重要です。
発熱体は、平面に見えても微細な凹凸が存在します。
シリコーン製の放熱材料を使用することで、発熱部位と冷却システムの接合界面に存在する断熱層(空気)を埋め、効率的な熱伝導が可能になります。これにより、長期に渡り機器の信頼性が向上します。

世の中には製品単体での熱伝導性の高い製品はありますが、基板等に実装した場合、熱抵抗を低減できず、カタログ上の熱伝導率を発揮できていないものがあります。発熱・冷却を繰り返すことにより、当初は性能を発揮できていても、長期間の使用で初期形状を保持できないものは、放熱材料としては不適であるとも言えます。
放熱用シリコーンとは?
放熱用シリコーンは、熱伝導性物質を高度に充填した複合材料で、発熱体と冷却部材の間に密着することで優れた熱伝導性を発揮します。また、求められる性能や用途に合わせて最適な放熱ソリューションを提供できるよう、多彩な製品をラインアップしています。
デバイスが高性能になり、消費電力の高まりとともに発熱量が増大している今、機器の性能を維持するために発熱体から熱を効率よく逃がす技術が注目されています。各種電子機器のトレンドは小型で軽量化。それに伴い発熱量は増加する中、最適な放熱材料を選択する必要があります。以下、放熱用シリコーンの種類や特徴をご紹介いたします。
放熱用シリコーンの種類と特徴
① 絶縁放熱シリコーンゴムシート
- シートを挟むだけで、簡単に絶縁性を確保
- 作業性・安全性・電気絶縁性に優れる
- シート・チューブ・キャップ形状の製品も選べる
- 各種トランジスタの形状に合わせたラインナップ
- 実装する基板サイズにカットして納入可能



② 低硬度放熱シリコーンゴムパッド
- 凹凸のある発熱素子の放熱ができ、基板全体に貼り付け可能
- 外部冷却用ヒートシンクへの距離・隙間埋めが可能
- ゴム弾性があり、応力の緩和・振動を吸収
- 密着性があり押しつぶして使用すると、熱抵抗を低減
- 実装時に仮固定できる粘着性で、リワーク性に優れる
- 実装する基板サイズにカットして納入可能


④ 液状シリコーンゴム(縮合タイプ)
- 湿気と反応して硬化するため加熱炉不要
- 硬化後はゴム弾性を保持した熱伝導特性を有する
- 凹凸のある局面にも接着でき、電子部品の固定に有用


⑤ 液状シリコーンゴム(付加タイプ)
- 加熱による短時間硬化が可能
- ポッティングや部品固定が可能で、凹凸のある部位に適している


⑥ 放熱ギャップフィラー、縮合硬化型オイルコンパウンド
- 硬化後は接着せず、厚塗りが可能でリワーク性に優れる
- 耐ズレやポンプアウト特性、割れ性に優れ機器の応力緩和にメリットあり
- 発熱体と冷却装置の段差を埋められる



① 硬化前:グリース状で機材表面に良くなじみます

② 柔らかいシート状に硬化します

放熱用シリコーンの主な用途例
品種 | 主な用途例 |
放熱シート | 電源用パワートランジスタ、パワーモジュールの放熱絶縁 温度感知部の絶縁および伝熱媒体 |
低硬度放熱シート | CPU、LSI 等の半導体デバイスの放熱絶縁 |
フェイズチェンジマテリアル | CPUとヒートシンクとの伝熱媒体 |
放熱グリース | 電源用パワートランジスタ、パワーモジュールの放熱 CPU、LSI 等の半導体デバイスの放熱 サーミスタ、熱電対等の測定箇所との密着 |
放熱ゲル、接着剤 | CPUとヒートスプレッダー間の放熱 電子部品の放熱固定 ヒートシンク、ヒートパイプの接着固定 |
お問い合わせ
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本ページで紹介しているシリコーン放熱材は信越化学工業株式会社の製品です。
株式会社ニッシリは信越化学工業株式会社の特約店として、信越シリコーンの販売を行っています。