未来デザイン部では、主に自助具の製作や補助・仕上げを目的としてシリコーン製のDIYテープ「ユニバーサルテープ」を開発しました。「防水」「撥水」「熱に強い」などシリコーンの多機能性を生かし、かつテープ同士が自己融着するDIYテープです。
シリコーンのテープ同士がくっつくことで固定されるため、木材や金属・ガラスやプラスチックなど、どんな素材にも使用でき「簡単・すぐに・その場で」できるのが特長です。
ご使用方法
例えば、普段使用しているスプーンやフォークの持ち手に巻きつけて厚みを持たせたり、形状を変えて持ちやすくしたり、滑り止めに使ったりといった使い方です。固定や結束、保護といった使い方も可能です。
ユニバーサルテープの使い方
用途事例
Universal Tape(ユニバーサルテープ)の特性
■耐候性:超促進耐候性試験機にて40℃、600時間照射。
600時間(実暴露20年相当)の外観変化無し。
■耐寒性:-50℃程度
■耐熱性:200℃程度
■安全性:食品、ヘルスケア製品などに使用可
■撥水性:継続して有り(シリコーン基本特性)
■難燃性:鉄道車両用材料燃焼性試験にて難燃性の判定
■防水性
※上記データは品質を保証するものではございません
シリコーン素材のため、防水・撥水はもちろんのこと、テープを剥がした後のベタつきもありません。安全性も高く、食器などにも安心して使える製品です。また、サビ止めや絶縁などの特性もあります。
「簡単・すぐに・その場で」自助具をDIYする
このユニバーサルテープは、主に自助具の製作や仕上げのために開発した製品です。
以前、片麻痺の方から「自分で料理をしてみたい」というお話を伺ったことがきっかけです。
自助具は、障害や病気などによる麻痺、加齢による身体機能の低下を原因とする“動作の困難を補うための道具や装置”です。食事、入浴、家事、更衣、排泄など、日常生活のさまざまな場面において、可能な限り自分自身で容易に行えるように補助し、特別に工夫された道具です。
個々の身体状況によって必要とする自助具が違いますので、いわゆる“一点もの”の制作となります。とても忙しい介護・医療の現場で作業療法士さんや現場のスタッフさんが製作したり、またボランティアさんが製作することも多いと伺います。
そのような背景から、少しでも自助具製作の役に立てることはないかと考え、このユニバーサルテープを開発いたしました。このテープは、巻くだけなので特別なスキルは必要ありません。
そのため、ちょっとした困りごとに対してその場で解決が出来ると考えております。
「スプーンを持ちやすくしたい」「もう少し楽に起き上がりたい」「自分で髪をとかしたい」など、“自分でできるようになりたい”という想いと、実際の可動域のギャップを少しでも埋めるのが、このユニバーサルテープの役目だと考えています。
NPO・大学・利用者さんと一緒にワークショップを実施
開発段階でも、実際にどのような使い方ができるか、自助具を必要としている皆さんにご協力をいただきワークショップを行いました。それぞれ日常の中で「こういうことができたらいい」と感じていることがありますので、テープの活用方法を検証しました。レンゲにペンの蓋をテープで固定しスープをすくえるようにカスタムしたり、モノを持ちやすくする使い方など、たくさんのアイデアが生まれました。
大学生・モニターの皆さんとワークショップ
ディスカッション・検証の様子
ドライヤーにテープを巻きつけて持ちやすく
レンゲにペンのキャップをテープで接続
手首の可動域を補助
爪切りを固定・片手で使える工夫を考える
使用していただいた皆様の声
- アイディア次第で生活道具だけでなく、釣り竿や将棋の駒など趣味にも使えそうです。
- 引き戸の窓や手すりにも使えそうだと思う。
- さっそく爪切りに巻いて、滑り止めとして使ってみたいと思います。
- 個人のオーダーメイド品を、テープを巻くだけで簡単に作ることができます!
- どんなものにもくっつくため、用途の可能性が無限に広がりそう。
このユニバーサルテープは、いつでもどこでも簡単に使用することができます。病院・施設・グループホーム・学校などでお仕事をされている方、日常の動作で困っている方なら、どなたでも試していただきたいと思っております。ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ
製品に関するご相談など、 ぜひお気軽にお問い合わせください。