注目商品

PFAS規制対応|フッ素樹脂とシリコーンの違い・代替材料を解説

PFAS規制対応|フッ素樹脂とシリコーンの違い・代替材料を解説


フッ素樹脂とシリコーンの違い|PFAS規制対応に向けた材料選定

PFAS(ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物)とは、
フッ素原子が含まれる化合物のグループのことを言います。
耐熱性・耐薬品性・撥水性などに優れることから、フッ素樹脂をはじめ、さまざまな工業製品に使用されています。

一方で、一部のPFASについては環境や健康への影響が懸念されており、世界各国で規制の検討や導入が進んでいます。そのため、PFAS規制への対応として、フッ素樹脂の代替材料を検討する企業も増えています。

本ページでは、PFAS代替材料として注目されるシリコーンの特長や、フッ素樹脂との違いについてご紹介します。

PFAS代替・フッ素樹脂代替として検討される「シリコーン」とは?

シリコーンは、耐熱性・耐候性・電気絶縁性・撥水性などに優れた高機能材料です。PFAS規制への対応として、用途によってはフッ素樹脂の代替材料として検討されています。スマートフォンやパソコン、コンタクトレンズ、キッチン用品など、私たちの身近な製品にも幅広く使用されています。

シリコーンの主原料は天然に存在する「ケイ石」です。ケイ石から得られるケイ素(Si)と有機化合物を組み合わせることで、シリコーンが製造されます。

シリコーンの成り立ち

分子の組み合わせを変えることで、硬さや粘度など、多様な形態を生み出すことができ、今では5000種を超えるシリコーン製品が誕生しています。多様な製品形態を持つほか、高温・低温に強い、紫外線で劣化しにくい、水を弾くなど、さまざまな特性を持っています。
シリコーンについて詳しく知る

シリコーンの優れた耐熱性・耐候性の理由

シリコーンの主骨格は、ケイ素(Si)と酸素(O)が交互に結合した「シロキサン結合(Si-O-Si)」です。この結合は一般的な有機ポリマーの主鎖であるC-C結合やC-O結合よりも結合エネルギーが大きく、非常に安定しています。そのため、高温環境や紫外線、屋外環境でも劣化しにくく、耐熱性・耐候性・耐薬品性などの優れた特性を発揮します。

シロキサン結合(Si-O結合)

シロキサン結合
結合エネルギー表

フッ素樹脂とシリコーンの違い|性能比較

PFAS規制への対応として、フッ素樹脂の代替材料を検討する企業が増えています。シリコーンは、用途によってはフッ素樹脂の代替材料として採用されており、耐熱性・耐候性・柔軟性など多くの優れた特長を備えています。

ここでは、フッ素樹脂とシリコーンの代表的な性能を比較し、それぞれの特長をご紹介します。

1. 耐候性

シリコーンは紫外線、酸化、大気中のオゾンなどの環境要因に対して非常に優れた耐性を持っています。そのため、長期間にわたって劣化しにくく、屋外での使用に適します。また、シリコーンは低揮発性であり、長期間にわたって特性を維持できるため、表面に塗布されたシリコーンコーティングなどは持続的な効果を発揮します。シリコーンは建築、航空宇宙、自動車産業など、過酷な環境下での使用が求められる分野で広く利用され、シリコーンレジン製品では、フッ素以上の耐候性を持つ製品もあります。

2. 耐熱性

シリコーンは優れた耐熱性を持ち、広い温度範囲で性能を維持します。シリコーンは通常、-40℃から180℃の範囲で使用可能で、一部の特殊なシリコーンはさらに高温に耐えることができます。フッ素も耐熱性が高いですが、シリコーンも同様の用途に対応可能です。シリコーンレジン製品では、耐熱塗料のバインダーとして最高650℃域でも使用可能な製品もあります。

3. 撥水性

シリコーンは水を弾く性質があります。水滴はシリコーンの表面に接触すると、表面に濡れ広がることなく弾かれます。また、シリコーンは耐候性が高いため、紫外線、温度変化、湿気などの環境ストレスに対しても性能が劣化しにくく、撥水効果が長持ちします。フッ素と近いレベルの撥水性を有する製品もあり、滑水性も優れます。

4. 難燃性

シリコーンは難燃性を持ち、高温にさらされても燃えにくい特性があります。シリコーンの燃焼温度は高く、燃えた場合でも有毒ガスの発生が少ないため、安全性も高いです。ポリカーボネート向け難燃剤などはフッ素を使用しない処方でも難燃性規格 UL-94 V-0を達成することが可能です。

5. 耐薬品性

シリコーンは強酸・強アルカリを除く、多くの化学薬品に対して耐性があり、フッ素ほどの耐薬品性はないものの、多くの用途で十分な性能を発揮します。

6. 電気絶縁性

シリコーンは優れた電気絶縁性を持ち、電気・電子部品の絶縁材料として使用されることが多いです。フッ素も絶縁性が高いですが、シリコーンも同様の特性を持っています。

7. 柔軟性

シリコーンゴムは柔軟性が高く、低温でもゴム弾性を保ちます。この特性により、シーリング材やガスケット、ホースなど、柔軟性が求められる用途に適します。また、構造物の動きや振動に対しても耐性があります。

8. 生理的不活性

シリコーンは使用環境により生理的に不活性であるとされ、生体に対しての安全性が高く、医療用途にも広く使用されています。

9. 環境への影響

フッ素化合物は環境への影響が懸念されることがあります。特にPFASなどの一部のフッ素化合物は、生態系への影響が問題視されています。シリコーンは比較的環境への影響が少ないとされ、代替材料としての期待が高まっています。

10. 加工のしやすさ

シリコーンは加工しやすく、さまざまな形状やサイズに成形することができます。これにより、製造プロセスが簡略化され、コスト効率が向上します。

このように、シリコーンは耐熱性・耐候性・柔軟性・加工性など、多くの優れた特長を備えています。用途によってはフッ素樹脂の代替材料として検討できる場合もあり、PFAS規制への対応を見据えた材料選定にも活用されています。

私たちは70年以上にわたりシリコーンを取り扱う専門商社として、お客様の用途や要求性能に応じた材料選定をサポートいたします。

用途に合った材料選定をご提案します

PFAS規制への対応やフッ素樹脂代替をご検討中の方へ。
耐熱性・耐候性・撥水性など、求められる性能に応じて最適なシリコーン製品をご提案します。

用途別|PFAS代替としてシリコーンが検討される分野

PFAS規制への対応として、シリコーンは用途や要求性能に応じてさまざまな分野で検討されています。ここでは、PFAS代替としてシリコーンが活用される代表的な用途をご紹介します。

塗料・コーティング用途
耐候性・耐熱性・防汚性を活かし、塗料やコーティング剤のバインダーや改質剤として検討されています。

撥水・防汚用途
撥水性・滑水性・防汚性を付与する材料として、コーティング剤や表面処理用途に活用されています。

難燃用途
樹脂への難燃性付与や透明性を維持した難燃材料として検討されています。

接着・シール用途
耐候性・耐熱性・柔軟性を活かし、接着剤やシーリング材など幅広い用途に使用されています。

PFAS代替として検討できるシリコーン製品例

塗料・コーティング剤向けシリコーンレジン(水系・速硬化)


耐候性

耐熱性

防汚性

特長

  • シリコーンレジンの水分散タイプ
  • 有機溶剤を含まない水系タイプ
  • シリコーン100%の被膜形成が可能
  • 常温硬化に対応し、加熱により硬化時間を短縮可能
  • 耐候性・耐熱性・防汚性に優れた被膜を形成

用途例

  • 水系樹脂のバインダー
  • アクリルエマルションの改質剤
  • 耐熱塗料
  • 高耐候性塗料
  • 外壁用コーティング
水系で速硬化可能なシリコーンレジン製品

② 室温硬化型シリコーンコーティング剤(防汚)


高光沢・撥水タイプ

撥水性

滑水性

耐候性

難燃性

耐水性

  • 艶に優れ、撥水性・表面滑り性が良好
  • 拭き上げ施工しても防汚性能を発揮
  • シリコーン以外の有機樹脂に添加することで、撥水性を付与

用途例:車の撥水コーティング

高光沢で防汚性に優れる製品

厚膜・高強度タイプ

耐溶剤性

撥水性

離型性

電気絶縁性

高硬度・高強度

  • 無溶剤かつ低粘度の触媒含有一液タイプ
  • 常温のタックフリータイムが10分未満で、常温で硬化が進行
  • 厚膜化が可能なため、艶に優れたコーティングが可能
  • 高硬度、高強度の自立膜を形成可能

用途例:撥水コーティング、離型コーティング、コンフォーマルコーティング、電気絶縁コーティング

厚膜化可能で防汚性に優れる製品

高硬度・耐クラックタイプ

高硬度

可とう性・耐クラック性

耐マジック防汚性

撥水性

  • 撥水性、滑水性、耐マジック防汚性に優れる
  • 速硬化、一液型脱アルコール縮合反応タイプ
  • プライマーMPを併用することで、PP(ポリプロピレン)に密着
  • 高硬度と耐クラック性を両立
  • 脱エタノール型でありながら、短時間で硬化

用途例:防汚コーティング剤の原料

高硬度で防汚性に優れる製品

樹脂改質向けシリコーン製品


樹脂改質向けシリコーンオリゴマー

可とう性・耐クラック性

撥水性・防汚性

耐候性

難燃性

  • 各種樹脂に撥水性、防汚性、耐候性の付与が可能
  • アルコール性水酸基を含有したシリコーンオリゴマー
  • 室温で混合するだけで樹脂改質が可能で、大型の設備が必要ない
  • 樹脂相溶性に優れ、硬化時のブリードアウトや分離が起きにくい

用途例:塗料・コーティング剤の樹脂の改質

撥水・滑水性付与タイプ

撥水性

滑水性

  • シリコーン系コーティング剤に添加可能
  • 拭き上げ施工しても防汚性能を維持

用途例:コーティング剤への添加

ポリカーボネート向けシリコーン難燃剤

難燃性

高透明

  • スルホン酸塩と併用することで難燃性を発現するシリコーン
  • フッ素系添加剤を含まない配合で、透明性を維持し難燃性規格 UL-94 V-0を達成
  • ほかの難燃剤に比べ、添加量が少なく、熱による分解も起きにくいため、リサイクル志向の樹脂設計も可能

用途例:樹脂改質剤

ここでご紹介した製品は一例です。

PFAS規制への対応やフッ素樹脂代替など、用途や要求性能に応じて最適なシリコーン製品をご提案いたします。製品選定やカスタマイズについても、お気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q. PFAS規制とは何ですか?

PFAS(有機フッ素化合物)は環境や人体への影響が懸念される物質群で、各国で使用や排出に関する規制が進められています。フッ素樹脂を使用した製品についても、用途によっては代替材料の検討が進んでいます。

Q. PFASフリーとは何ですか?

PFASフリーとは、PFAS(有機フッ素化合物)を使用しない材料や製品を指します。用途によってはシリコーン製品がPFASフリー対応材料として検討されるケースがあります。

Q. PFAS規制でフッ素材料はすべて使えなくなりますか?

すべてのフッ素樹脂が直ちに使用禁止になるわけではありません。規制対象や用途によって対応は異なりますが、将来を見据えてPFASフリー対応や代替材料の検討を進める企業が増えています。

Q. PFAS規制の代替材料としてシリコーンは使えますか?

用途によりますが、耐熱性・耐候性・撥水性・柔軟性などが求められる用途では、PFAS代替やフッ素樹脂代替材料としてシリコーンが検討されるケースがあります。

Q. フッ素とシリコーンの違いは何ですか?

フッ素は耐薬品性や耐摩耗性に優れ、シリコーンは耐熱性・耐候性・柔軟性・加工性に優れています。求められる性能や使用環境に応じて適切な材料を選定することが重要です。

PFAS規制対応・フッ素樹脂代替をご検討の方へ

用途や要求性能に応じて、PFASフリー対応やフッ素樹脂代替として検討できるシリコーン製品をご提案します。
材料選定や評価方法についてもお気軽にご相談ください。


■メーカー情報

本ページで紹介しているシリコーン製品は信越化学工業株式会社の製品です。
株式会社ニッシリは、信越シリコーンの特約店として用途・施工条件に応じた製品選定や技術的なご提案が可能です。
製品詳細や技術情報はメーカー公式サイトでもご確認いただけます。

お問い合わせ

お電話・メールにて
お気軽にお問い合わせください。

03(4431)2130 お問い合わせ

採用情報

「シリコーンを世に広めたい」
そんな志を同じくする仲間を募集しています。

採用情報はこちら