
CO₂を約20%削減・生産性もアップ!
環境配慮を実現するミラブルシリコーンゴムが誕生
ミラブルシリコーンゴム(HCR)とは、混錬機で加硫剤を混ぜて成形する固形のシリコーンゴムです。
二次加硫が不要で、従来品と比べてCO₂削減、工程短縮や省エネを実現できる新製品が登場。
製造時に低分子シロキサンを除去しているため、成形時の二次加硫処理が不要です。
<サンプル対応可能>
※CO₂を約20%削減…信越化学工業株式会社での試算による
ミラブル・加硫とは?
ミラブルとは、混練機でゴムに加硫剤を加えて練り上げる工程がある成形方法です。
ミラブルシリコーンゴム(HCR)は、原料段階では通常のゴムと同じく固形で、成形時に加硫剤(ゴムの分子同士を繋ぐ構造を作る薬剤)を加えて加熱硬化させます。適度な粘度で取り扱いやすく、着色や硬度調整しやすいのが特長です。

加硫とは
加硫とは、ゴムコンパウンドに弾力を付与し、一般的なゴムのようにする工程です。
未加硫状態のゴムは柔らかく、力が加わると簡単に変形してしまいますが、加硫剤を加えて熱することで、ゴムの分子同士が繋がり、ゴム弾性体になります。
二次加硫の目的
①電気接点障害の元となる、低分子シロキサンをゴム成分内から除去する
②熱を加えて物性を安定させ、向上させる
③一次加硫で残った有機過酸化物等の不要な残留物を除去する
二次加硫不要ミラブルシリコーンゴムの特長
① 工程自動化に貢献し、生産性アップ!
二次加硫行程は自動化が難しく、製造ラインを一度止めなければなりません。二次加硫不要型であれば、製造工程の自動化を止めることなく、電気使用量や人件費も削減することが可能です。

② 二次加硫工程のCO₂排出量をゼロに削減!
乾燥機での加熱が不要なため、二次加硫に必要なエネルギーを削減。CO₂の排出量をゼロにすることができます。

※条件別に、削減できるCO₂排出量や電力コストの目安を計算することができます
③ 低分子シロキサンを約95%カット!
低分子シロキサンの含有量を低減することで、二次加硫の工程が不要となります。

④ 乾燥機の省スペース、メンテナンス削減!
二次加硫のための乾燥機が不要で、スペースの有効活用や掃除等メンテナンスの手間も削減することができます。
640~4800L乾燥機で約27~11㎡の省スペース化に!

※信越化学工業株式会社による試算
製品ラインアップ
KNP-541-U、KNP-551-U、KNP-561-U、KNP-571-U、KNP-561E-U、KNP-551P-U、KNP-561P-Uをラインアップしており、主に成形後の硬さや密度、引張強さや切断時伸びなどに違いがございますので、詳しくはぜひお問い合わせください。

用途例
- ヘルスケア用品(哺乳瓶の乳首など)
- マリンスポーツ用品(ゴーグルマスク、シュノーケルなど)
- 食品接触用品(キッチン用具、食品容器のパッキンなど)
- 自動車部品(コネクターシール、Оリング、エアバッグ基布のコーティングなど)
- エレクトロニクス部品(コネクター、イヤホンなど)



気になる用語をチェック!
二次加硫
一度熱を加えたシリコーンゴム成形品(一次加硫)は一見何の問題もありませんが、内部には加硫剤の分解物や残留物(低分子シロキサン)が残っているため、これらを除去する必要があります。一次加硫済みのシリコーンゴムを、二次加硫用の乾燥機(二次加硫炉)で200℃程度の高温下で約2時間~4時間の熱処理をすることを二次加硫と言います。
低分子シロキサン
低分子シロキサンは、シリコーン製品の製造過程で生成される揮発性のケイ素化合物です。二次加硫で低分子シロキサンを除去する理由としては、低分子シロキサンが、電子部品の接点不良、バイオガス中の不純物として環境や製品に悪影響を及ぼす可能性があると考えられているためです。
HCR
HCRとはミラブルゴムのことで、「High Consistency Rubber」の頭文字をとった略称です。「Consistency」は粘度や練りの硬さを指し、成形加工に適した固形のシリコーンゴムを意味します。
混錬機
混錬機は、原料となるゴムコンパウンドと加硫剤を加え、練り上げる際に用いられる機械です。代表的なものに、硬いシリコーンゴムを練り上げることができるブレードを備えた加圧式ニーダーと、加硫剤を均一に練り込み、シート状に取り分けることが可能なオープンロールタイプがあります。
お問い合わせ
同製品に関するご相談やサンプル提供を随時承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
二次加硫不要ミラブルシリコーンゴムは信越化学工業株式会社の製品です。
株式会社ニッシリは信越化学工業株式会社の特約店として、信越シリコーンの販売を行っています。