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PFAS規制で注目!シリコーンの新たな可能性

PFAS規制で注目!シリコーンの新たな可能性


PFAS規制で注目!シリコーンの新たな可能性

PFAS(ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物)とは、
フッ素原子が含まれる化合物のグループのことを言います。

PFASは耐候性や耐熱性に優れることから、私たちの暮らしや産業などの様々な場面で活用されています。
しかし、一部のPFASは環境や健康への懸念が指摘されており、使用や排出において規制が行われています。

このPFAS規制に伴い、PFAS含有製品の代替や環境に配慮した素材を検討されたい方へ、
シリコーンの性能の可能性や最新製品をご紹介させていただきます。

そもそも、シリコーンとは?

スマートフォンやパソコン、コンタクトレンズ、キッチン用品など・・・
私たちの身近な製品に幅広く使われているシリコーンの主原料は、天然に存在する「ケイ石」
ケイ石に含まれるケイ素(Si)と有機化合物を組み合わせることで、「シリコーン」が出来上がります。

シリコーンの成り立ち

分子の組み合わせを変えることで、硬さや粘度など、多様な形態を生み出すことができ、今では5000種を超えるシリコーン製品が誕生しています。多様な製品形態を持つほか、高温・低温に強い、紫外線で劣化しにくい、水を弾く・・・など、さまざまな特性を持っています。

シリコーンの性能

シリコーンの優れた特性の理由は?

シリコーンの主骨格は、ケイ素と酸素が交互に結びついたものです。 これをシロキサン結合(-Si-O-Si-)といいます。ケイ素(Si)と酸素(O)はお互いに強く引き合う特性があり、有機ポリマーの主鎖であるC-C結合やC-O結合よりも結合エネルギーが非常に大きいのです。そのため、200℃という高温になってもその結合が壊れることがなく、化学的に安定しており、耐候性や耐熱性に優れているのです。

シロキサン結合(Si-O結合)

シロキサン結合
結合エネルギー表

なぜシリコーンはフッ素代替に検討できるの?

優れた特性を持つシリコーンは、フッ素の代替材料としても有望視されています。
用途によってはフッ素と同等、もしくはそれ以上の性能を発揮することもあります。
ここでは、シリコーンの代表的な性能をお伝えいたします。

1. 耐候性

シリコーンは紫外線、酸化、大気中のオゾンなどの環境要因に対して非常に優れた耐性を持っています。そのため、長期間にわたって劣化しにくく、屋外での使用に適します。また、シリコーンは低揮発性であり、長期間にわたって特性を維持できるため、表面に塗布されたシリコーンコーティングなどは持続的な効果を発揮します。シリコーンは建築、航空宇宙、自動車産業など、過酷な環境下での使用が求められる分野で広く利用され、シリコーンレジン製品では、フッ素以上の耐候性を持つ製品もあります。

2. 耐熱性

シリコーンは優れた耐熱性を持ち、広い温度範囲で性能を維持します。シリコーンは通常、-40℃から180℃の範囲で使用可能で、一部の特殊なシリコーンはさらに高温に耐えることができます。フッ素も耐熱性が高いですが、シリコーンも同様の用途に対応可能です。シリコーンレジン製品では、耐熱塗料のバインダーとして最高650℃域でも使用可能な製品もあります。

3. 撥水性

シリコーンは水を弾く性質があります。水滴はシリコーンの表面に接触すると、表面に濡れ広がることなく弾かれます。また、シリコーンは耐候性が高いため、紫外線、温度変化、湿気などの環境ストレスに対しても性能が劣化しにくく、撥水効果が長持ちします。フッ素と近いレベルの撥水性を有する製品もあり、滑水性も優れます。

4. 難燃性

シリコーンは難燃性を持ち、高温にさらされても燃えにくい特性があります。シリコーンの燃焼温度は高く、燃えた場合でも有毒ガスの発生が少ないため、安全性も高いです。ポリカーボネート向け難燃剤などはフッ素を使用しない処方でも難燃性規格 UL-94 V-0を達成することが可能です。

5. 耐薬品性

シリコーンは強酸・強アルカリを除く、多くの化学薬品に対して耐性があり、フッ素ほどの耐薬品性はないものの、多くの用途で十分な性能を発揮します。

6. 電気絶縁性

シリコーンは優れた電気絶縁性を持ち、電気・電子部品の絶縁材料として使用されることが多いです。フッ素も絶縁性が高いですが、シリコーンも同様の特性を持っています。

7. 柔軟性

シリコーンゴムは柔軟性が高く、低温でもゴム弾性を保ちます。この特性により、シーリング材やガスケット、ホースなど、柔軟性が求められる用途に適します。また、構造物の動きや振動に対しても耐性があります。

8. 生理的不活性

シリコーンは使用環境により生理的に不活性であるとされ、生体に対しての安全性が高く、医療用途にも広く使用されています。

9. 環境への影響

フッ素化合物は環境への影響が懸念されることがあります。特にPFASなどの一部のフッ素化合物は、生態系への影響が問題視されています。シリコーンは比較的環境への影響が少ないとされ、代替材料としての期待が高まっています。

10. 加工のしやすさ

シリコーンは加工しやすく、さまざまな形状やサイズに成形することができます。これにより、製造プロセスが簡略化され、コスト効率が向上します。

このように、シリコーンは多くの特長を持ち合わせています。私たちは、70年間シリコーンの専門商社として、シリコーンで皆様のお困りごとに向き合ってまいりました。社会の変化により、フッ素代替を検討される方も増えている今、耐候性や耐熱性などのシリコーンの優れた性能に注目し、フッ素代替品としても検討可能な製品をご紹介いたします。

① 塗料・コーティング剤のバインダー成分

耐候性

耐熱性

防汚性

水系で速硬化可能なシリコーンレジン製品

  • シリコーンレジンの水分散タイプ
  • 常温で水が揮発することで被膜を形成
  • 有機溶剤非含有であり、効果反応により発生する成分は水だけ
  • 乳化剤を使用しておらず、シリコーン100%の被膜が形成可能
  • 室温で硬化が進行しますが、数分間の加熱により硬化時間の短縮が可能
  • 耐候性、耐熱性、防汚性に優れる被膜を形成

用途例:樹脂バインダー、アクリルエマルションなどの水系樹脂の改質剤、耐熱塗料、高耐候性塗料、外壁

水系で速硬化可能なシリコーンレジン製品

② 室温硬化型シリコーンコーティング剤

撥水性

滑水性

耐候性

難燃性

耐水性

高光沢で防汚性に優れる製品

  • 艶に優れ、撥水性・表面滑り性が良好
  • 拭き上げ施工しても防汚性能を発揮
  • シリコーン以外の有機樹脂に添加することで、撥水性を付与

用途例:車の撥水コーティング

高光沢で防汚性に優れる製品

耐溶剤性

撥水性

離型性

電気絶縁性

高硬度・高強度

厚膜化可能で防汚性に優れる製品

  • 無溶剤かつ低粘度の触媒含有一液タイプ
  • 常温のタックフリータイムが10分未満で、常温で硬化が進行
  • 厚膜化が可能なため、艶に優れたコーティングが可能
  • 高硬度、高強度の自立膜を形成可能

用途例:撥水コーティング、離型コーティング、コンフォーマルコーティング、電気絶縁コーティング

厚膜化可能で防汚性に優れる製品

高硬度

可とう性・耐クラック性

耐マジック防汚性

撥水性

高硬度で防汚性に優れる製品

  • 撥水性、滑水性、耐マジック防汚性に優れる
  • 速硬化、一液型脱アルコール縮合反応タイプ
  • プライマーMPを併用することで、PP(ポリプロピレン)に密着
  • 高硬度と耐クラック性を両立
  • 脱エタノール型でありながら、短時間で硬化

用途例:防汚コーティング剤の原料

高硬度で防汚性に優れる製品

③ 耐候性、撥水性、難燃性が付与可能なシリコーン系改質剤

可とう性・耐クラック性

撥水性・防汚性

耐候性

難燃性

水酸基を含有するシリコーンオリゴマー製品

  • 各種樹脂に撥水性、防汚性、耐候性の付与が可能
  • アルコール性水酸基を含有したシリコーンオリゴマー
  • 室温で混合するだけで樹脂改質が可能で、大型の設備が必要ない
  • 樹脂相溶性に優れ、硬化時のブリードアウトや分離が起きにくい

用途例:塗料・コーティング剤の樹脂の改質

撥水性

滑水性

シリコーン系コーティング剤に撥水性・滑水性の付与が可能な製品

  • シリコーン系コーティング剤に添加可能
  • 拭き上げ施工しても防汚性能を維持

用途例:コーティング剤への添加

難燃性

高透明

ポリカーボネート向けシリコーン難燃剤

  • スルホン酸塩と併用することで難燃性を発現するシリコーン
  • フッ素系添加剤を含まない配合で、透明性を維持し難燃性規格 UL-94 V-0を達成
  • ほかの難燃剤に比べ、添加量が少なく、熱による分解も起きにくいため、リサイクル志向の樹脂設計も可能

用途例:樹脂改質剤

製品の詳細につきまして、ぜひお気軽にご質問・お問い合わせください。
こちらでは製品の一部をご紹介いたしましたが、シリコーン製品は多用途に活用でき、

ご要望によってカスタマイズも可能ですので、ぜひお気軽にご相談いただけたらと思います。

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