約20%CO2を削減、生産性もアップ!
新たな液状シリコーンゴム射出成形用材料
液状シリコーンゴムの混合から成形までを自動化するLIMS。
電気接触障害の元となる低分子シロキサンを大幅カットし、二次加硫が不要になりました。
工程短縮とCO2削減が可能な、二次加硫不要LIMS材料が新登場※。
<サンプル対応可能>
※信越化学工業株式会社での従来のLIMS材との比較試算による
LIMS、加硫について
LIMS(Liquid Injection Molding System)は、二液の液状シリコーンゴムを装置にセットするだけで、精密な射出成形ができるシステムです。材料の混合から成形までを自動化することで製造工程を効率化し、連続自動成形を可能にするため、大量生産に向いています。
加硫とは
加硫とは、生ゴムに弾力を付与し一般的なゴムのようにする工程のことです。生ゴムは柔らかく、力が加わると簡単に変形しますが、硬化剤を加えて熱することでゴムの分子同士がつながり、形状保持が可能になります。
二次加硫の目的
①電気接点障害の元となる、低分子シロキサンをゴム成分内から除去する
②熱を加えて物性を安定させ、向上させる
③一次加硫で残った有機過酸化物等の不要な残留物を除去する
一度熱を加えたシリコーンゴム成形品(一次加硫)は一見何の問題もありませんが、内部には加硫剤の分解物や残留物(低分子シロキサン)が残っていて、これらを除去する必要があります。一次加硫済みのシリコーンゴムを、二次加硫用の乾燥機(二次加硫炉)で200℃程度の高温下で約2時間~4時間の熱処理することを二次加硫と言います。
しかし、二次加硫は乾燥機での加熱が必要なため、エネルギーを消費してCO2を排出します。また、乾燥機の設置スペースの確保、定期的な掃除などのメンテナンスが必要です。
二次加硫不要LIMS材料の特長
① 環境に優しく、カーボンニュートラルに貢献!
LIMSはもともと、硬化反応による副生成物がない等の理由から環境に配慮した製品です。二次加硫が不要になることで、成形時の使用エネルギーを削減でき、CO2削減への貢献が可能になりました。
② 成形時間短縮で生産性アップ!
LIMSは材料の混合から成形までを自動化することで生産性の向上が見込めますが、二次加硫不要のため、さらに成形時間を短縮することができます。
③ 低分子シロキサンを大幅カット!
電気接触障害の元となる低分子シロキサンの含有量を大幅に低減することで、二次加硫の工程が不要となります。二次加硫の工程が無くなることで、乾燥機の省スペースも可能です。
二次加硫不要LIMSへの切替えメリット
1.CO2削減効果
二次加硫不要LIMSの使用で、1kgあたり約0.16~0.20㎏のCO2を削減
※信越化学工業株式会社試算による
2.乾燥機不要による省スペース化
※信越化学工業株式会社試算
3.低分子シロキサン量の削減
※溶剤抽出法による低分子シロキサン量の比較データ
製品ラインナップ
食品規格に適合しヘルスケア商品などに使われる製品
KEG-2003H-40-A/B、KEG-2003H-50-A/B
摩擦を低減できるため、シール部品などに使われる製品
変形後の復元性に優れ、Oリングなどに使用される製品
KE-2019-40-A/B、KE-2019-50-A/B、KE-2019-60-A/B
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※ 詳しくはぜひお問い合わせください。
用途例
- ヘルスケア用品(哺乳瓶の乳首など)
- マリンスポーツ用品(ゴーグルマスク、シュノーケルなど)
- 食品接触用品(キッチン用具、食品容器のパッキンなど)
- 自動車部品(コネクターシール、Оリング、エアバッグ基布のコーティングなど)
- エレクトロニクス部品(コネクター、イヤホンなど)
お問い合わせ
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※株式会社ニッシリは信越化学工業株式会社の特約店として、信越シリコーンの販売を行っています。