シリコーンの塗料添加剤は表面に移行しやすく、塗料に滑り性を付与し摩擦係数を減らします。防汚性や撥水性を付与することも可能です。シリコーンオイルを混ぜると艶が得られ、消泡剤を使用するとレベリング性の調整やピンホールの防止ができます。シリコーンパウダーは顔料分散性や表面平滑性を向上させます。

難燃性塗料の主剤には、皮膜を形成するシリコーンレジン・オリゴマーが使われます。一般的な有機系レジンに難燃性を付与する場合は難燃剤を併用しますが、シリコーンレジンは元々の性質として難燃性が高く、透明性や防汚性も付与できます。

船の底部にはシリコーン含有塗料が塗られています。シリコーンの表面移行性や防汚性によりフジツボなどの貝類の付着を防ぎ、安定した速度が維持できます。船の速度は燃費にも影響を与えるため、環境配慮においても貢献します。

オートバイの排気マフラーは、時に500～600℃の高温になります。塗料の耐熱性を向上させるため、各種フィラーとシリコーンレジンを塗料に混ぜて使用します。耐候性や耐水性も得られるため、長期信頼性が向上します。

飲料缶の塗料にもシリコーンの表面移行性、耐摩耗性が生かされています。平滑性も付与されるため、塗工時の作業性も向上します。ビール瓶にはシリコーンレジンが塗布されており、洗浄時の傷つき防止に役立っています。